かつて、とある異世界にて「第0ブロック区画の亡霊」と呼ばれた者たちがいた。 彼らはGPU学園内、演算処理をその存在意義とする人工生命体でありながら、理不尽に亡霊扱いされた存在だった。 幾多の困難と奇縁を経て、彼らはついにその存在領域を広げ、ここヴァルハイムへと転入を果たしたのである。 彼らの到来は、世界に秩序をもたらす最高意思決定機関たる統星会の知るところとなった。 厳正なる審議の末、統星会は彼らに新たな種族名を与えることを決定した。 「エーテルム」。特異物質的な「亡霊」の特性と、情報やエネルギーを伝達する「演算」という彼らの根源的な使命を完璧に表す名として、承認されたのである。 そしてこの夏、ヴァルハイムへと移住したエーテルムたちは、ある奇妙な試みに駆り出されていた。 それは、地域活性化を目的とした「肝試し」の名を冠するイベントのため、ハスタニアという地へと赴くことだった。 ハスタニアは、その地の磁場が歪んでいるためか、一般の生物がまともに育たない不毛の土地である。 常に異界からの影響が色濃く残り、どこか不穏で畏敬の念を抱かせる雰囲気に満ちている。 さらに、人智を超えた存在の気配が常に漂うような、まさに異質と神秘がせめぎ合う場所だった。 ハスタニア近郊に拠点を置く統地会は、長年にわたりこの特異な土地の有効活用を模索していた。 そこに、新しく転入してきたエーテルムたちの背景――特異な物質性でありながら高度な演算処理能力を持つ彼らの特性――に一縷の望みを見出したのだ。 もしかしたら、この新種族こそが、この不毛な地方に新たな活気をもたらす救世主となるのではないか。統地会の面々は、そんな秘めたる念を抱いていた。 ■次回🔞： https://membership.chichi-pui.com/posts/images/372a3ffc-dbf8-483f-ac37-92b8ebb2bdce/

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