「焼きつくした灰に生命は戻るだろうか可能ならば叶えて欲しい」
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苦しみ、哀しみはとっくに死した
けれども、斬った後も
戻らぬ地獄たる痛みは
永遠に続いていた
其は、彼は、
自我心道から離れ
人の身を止めてしまった
現在でも
あの日の光景を覚えている
其れは都市を灰にした時
肉が燃え
灰の匂いを感じた時に見る
一瞬の夢
理想を果たし
家族と共に喜びを分かちあった
あの時の思いが
脳裏をよぎりながら…
されども、彼にくだされるのは
無慈悲なる現実
家族は燃え
故郷も滅んだ
それを奪ったのは
倒すべき為政者ではなく
信じていた指導者
導きの旗印
黒く染まり
心が灰へと帰する
モノクロの残響が
辺りを埋め尽くし
またも苦しみが襲いくる
この、業火は
永遠に続くだろう
だから、彼は背負うのだ
巨大な十字架の剣を
業を背負って息をしている
復讐の鎖の中で
生きる一抹の夢なのだから