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#阿刀Patriot快空のメンバーシップの投稿

小説『未完の缶詰を食べなさい』【ニャンノ世界】
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小説『未完の缶詰を食べなさい』【ニャンノ世界】

全体公開

前作(全年齢) https://www.chichi-pui.com/posts/eced3383-54f7-4c20-8c94-68e803149995/ 小説 1ページ ちちぷいバンドの始まりだ。 始まりを告げるは 雷鳴じみた音を響かせて 終焉の黙示録の高鳴りによって この世の残響を響かせる 宴は始まったばかりだぜ、 さぁ、歌おうか 貴方もジェネリック・ネコノだと 小説 2ページ 通行人は黙示録の鐘を ベースによって告げる 静かに…人形使いとして 影になりながらも 芯なる声を音符に乗せて… 小説 3ページ BalloonPoutは頬を膨らませて Balloonを構築する。 周囲には摩訶不思議なる怪異が 共にバンドたらんと演奏をする。 BalloonPoutは宙を浮かびながら 月に照らされながら 幻想的でアートな世界で ジェネリック・ネコノらの 舞台を盛り上げるのであった。 小説 4ページ 苦悶の果てには深淵が 深淵の底には道か地獄か 怪銘奇端が鍵盤を叩く 弾き返せる力は 並大抵のものには 不可能であり 世界の淵にて あるいは銀河の淵にて 彼らの訪れが、異界たる世界の 狭間を構築している… なればこそ、調律師としての 使命は、彼らにとっての 天職であった。 小説 5ページ 銀河の淵あれば、上に眼を向ければ何があるのか、白き光に純白の翼にて降臨せしは麻袋土偶、 麻袋村にて信仰されし、麻袋土偶、麻袋の顔には苦悶か微笑みか…常に苦悩は無限ではなく有限に 常に笑顔は無限ではなく有限に 世界の調停者であり 平穏を望みし姿は 法であり真理であった 積み重ねてきた 人の過ちの中で 秩序は構築される 白色生体細胞の祖たる 神話存在は、 真っ暗な宙の中で 強き光を伴って 彼らを見ているのであった。 小説 6ページ 西洋人形さんは何を見るか、 タップダンスをする。 あるいは鍵盤か… 音階の色調は増すばかり… 館の階段を何段階登ったか あと何段、永劫なる螺旋は 際限なく、リズムを刻みて 音楽を構成するものとならんや 小説 7ページ 揺れる、揺らぐ不定形の音楽 今、在る姿は 真に実体化たるや 様々な姿に変化せし姿は 仮面を司りし奇術師あるいは 道を探求せし求道者か 困難に遭遇せども 更なる、道へと進めと 音を鳴らすはさながら、 場を司り、 歴戦を生きた玄人なり 小説 8ページ 人工物、作られし者、 其でも尚、虚偽の魂 あるいは虚ろなれども 奏でる音は、本物の生命体 よりも、ソウルに溢れし炎であった。 月夜が映す幻想のカルマに身をやつして限りない憧憬に身を焦がしつつ… 小説9ページ 慟哭の残響が宙にある月に向かって吠える…虚無なる影にか… 己の叫びか…ジェネリック・ネコノらは、無機質な人形となりて、無限に近い躍りを演ずる… 同調はなく、あるのは、 灰色に染まった道筋が月夜を照らし舞っているのだ。 小説10ページ 消費され虚無に墜ちていく空間にて終わりなく踊る猫人形 ジェネリック・ネコノ… この踊りに、終着点はなく、 あるのは不安と疑念と後悔と 深淵から発する暗き幽玄のカルマがささやいている… 小説11ページ ジェネリック・ネコノは 過去の葦を踏みしめている 葦にはカラリとした気持ちと ジメッとした気持ちが入り混じっており、汚泥に染まりし靴には カラリとした感情で怒るということはせず、期待せず、失望せず、 負の感情を超え、感情に振り回されることなく踊るのだ。 無限でエンドレスだと…してもだ。 小説12ページ 為さねば成らぬ 義務的な舞踏会も終わりを告げる… 永劫に別れを告げ、 現実の道を踊る時がきた… Funny Smile を口にしつつ ジェネリック・ネコノは カラリとなるべく 踊りながら去っていくのだった。 アルベール・ルインズは 微笑みながら 「雅だな…」 と口にし風流な眼差しで、 月を眺め口ずさむのであった。