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#QILINのメンバーシップの投稿

銀髪の少女と瓦礫の街

銀髪の少女と瓦礫の街

全体公開

「……ここ、どこかしら。スバル? パック?」 エミリアは瓦礫の山に立ち、きょろきょろと辺りを見回した。 見覚えのない、高く切り立った建物に挟まれた狭い路地。精霊の気配も、騒がしい相棒の声もしない。 「すごーく困ったわ。勝手に歩き回ったら、またスバルに『お節介焼きの駄目な子』って言われちゃう」 彼女はぷくっと頬を膨らませたが、すぐに真剣な表情に戻って自分の服を見た。 「でも、この格好……なんだか少し、そわそわするわね。スバルが喜びそうだけど……ううん、そんなこと考えてる場合じゃないわ!」 ガシャン、と奥の路地で音が響く。エミリアはビクッと肩を揺らし、その場に身構えた。 「だ、誰かいるの? 私はエミリア。ただの迷子だから、悪さをしに来たわけじゃないのよ!」 返事はない。ただ、冷たい風が彼女の銀髪を揺らす。エミリアは震える足を一歩前に踏み出した。 「……返事がないなら、こっちから行くんだから。やっつけたりしないわよ、お話がしたいだけなんだから。いい? 本当よ?」 自分に言い聞かせるように呟きながら、彼女は瓦礫を乗り越えていく。 「もー、本当にパックはどこに行っちゃったのよ。……帰ったら、たっぷりお説教なんだからね!」 不安をかき消すような彼女の独り言だけが、静かな廃墟に響いていた。

企画「ちちぷい謎バトル1」のやつ

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